園芸文化史調査

新潟県は江戸中期から続く花卉園芸植物の産地であり,近代においてはボタン,ボケ,アザレア,シャクナゲ,チューリップ等,花木や球根類の全国を代表する産地として発展してきました.また,本県の園芸産業の特徴として,生産量や生産品目が多いだけではなく,品種改良や栽培技術に関しても積極的に取り組み,大きな成果をあげていることがあげられます.
しかし,長い歴史を有するにもかかわらず、新潟県の花卉園芸の歴史をまとめたものはこれまでにありませんでした。そのため、当園ではこれらの資料を収集,調査することで,本県を中心とした江戸から明治の花卉園芸史を明らかにすることを目的としています。
これまでに,日本初のチューリップ球根の商業生産は大正8年に新潟市ではじまったとされていましたが,当園の調査により大正5年以前に開始されていたことを明らかにしています.

【論文・著書・学会発表】
2004.倉重祐二.吉田千秋研究Ⅰ 吉田千秋と植物.吉田文庫.
2005.倉重祐二.新潟県におけるシャクナゲ栽培小史(1).日本ツツジ・シャクナゲ協会新潟支部報 No.7.
2005.倉重祐二.雪割草の栽培史.国際雪割草協会会誌 No.5.
2005-2006.倉重祐二.にいがた花語り No.1-39, 51.新潟日報.
2006.倉重祐二.新潟県におけるシャクナゲ栽培小史(2).会報.日本ツツジシャクナゲ協会新潟県支部.
2006.倉重祐二.園芸史から見た福羽逸人『回顧録』.福羽逸人回顧録:342-359.財団法人国民公園協会新宿御苑.
2006.倉重祐二.園芸シャクナゲの世界.森林技術769.(社)日本森林技術協会.
2006.倉重祐二、小林伸雄、山崎和雄、大石勝彦、小林こずゑ(編著).神奈川縣立農事試験場「躑躅類調査」(Ⅰ).神奈川県立フラワーセンター大船植物園.神奈川県.
2007.倉重祐二.明治園芸史雑話 新潟の園芸を中心に.園芸世界7月号.改良園.
2007.倉重祐二、小林伸雄、山崎和雄、大石勝彦、小林こずゑ(編著).神奈川縣立農事試験場「躑躅類調査」(Ⅱ).神奈川県立フラワーセンター大船植物園.神奈川県.
2008.倉重祐二,小林伸雄.発見された神奈川県立農事試験場"躑躅類調査"にみる大正時代のツツジ園芸品種と育種傾向の推察.園芸学研究.7(2):323-328.
2009.倉重祐二.ボケの園芸史.日本のボケ.pp. 2-9.日本ボケ協会.
2009.倉重祐二.雪割草の園芸史.雪割草 栽培と花創りの楽しみ.pp. 151-152.新潟日報事業社.
2009.倉重祐二.雪割草の保全.雪割草 栽培と花創りの楽しみ.pp. 160-162.新潟日報事業社.
2009.倉重祐二・小林伸雄.ツツジの栽培と品種改良の歴史.館林でつつじの絵を-世界一のつつじの名所に全国から名画を迎えて-(企画展示カタログ)pp. 58-64.群馬県立館林美術館.

*下線付き氏名は当園の職員です。

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